こんにちは。司法書士の三輪です。
11月に入りました。今年もあと2ヶ月、やり残しのないようにいていきましょう。
さて、本日も信託です。
先日の事例を今回も使用します。
委託者の父親(70歳)が、受託者の息子(45歳)と信託契約をし、受益者を委託者である父親とした場合。信託財産は父親所有の賃貸マンション。すなわち、父親が息子に自分の賃貸マンションの管理を任せ、息子は賃貸マンションを管理し、賃貸マンションから得られる賃料収入を父親に渡す形態です。
信託契約の中での登場人物は、委託者、受託者、受益者の3者です。
この3者の中で一番重要なのが、受託者となります。
受託者は信託財産(賃貸マンション)の名義人となって、管理や処分を行います。
責任重大です。
受託者が信託契約に従った責任をまっとうしなければ、信託が成り立たなくなってしまいます。
信託法上も受託者に対して様々な義務を課しています。
1.善管注意義務
2.忠実義務
3.分別管理義務
4.帳簿等の作成等、報告・保存の義務
また、損失補てん責任もあります。
損失補てん責任とは、受託者がその任務を怠ったことにより、信託財産に損失が生じた場合または変更が生じた場合には、受益者の請求により、受託者は損失のてん補または現状の回復の責任を負います。
父親の賃貸マンションの信託の受託者になった息子さんも責任重大ですね。